Essay

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第74回『ゲゲゲの芸!』の章

2010.12.1 (水)

7月上旬、10数年間空き地だった我が家の目の前の土地に、某社のモデル・ハウスと事務所が建ちはじめ、あの猛暑の中、朝は8時前から夜の8時過ぎ、遅い時は10時位まで、土・日・祝日全く関係なく、連日ショベル・カーやらトラクターやら馬車やら戦車やらで、土を掘り返したり、鉄筋をドンドン、カンカン、キンキン、ドンガラがっしゃ〜ん!とやっていたので、あんなに暑かったにも関わらず窓を開ける事も出来ず、夏好きで冷房嫌いの自分は、あえてクーラーを入れずに減量中のボクサーの様な日々を過ごしていた。

そんな修羅場で夏を過ごし、いつもより厳しく長めな残暑がぼちぼち風化の兆しを見せ始め、名残惜しさを憶え始めていた9月下旬の、何となくモデル・ハウスがそれっぽい形を見せ始めたある日、工事関係者と名乗る人物が挨拶に来た。

「完成した時の招待の挨拶か?」と思いながら対応すると、某良品モデル・ハウスとは別の業者で、なんと今度はその空き地の真横にある5階建てのビルの解体作業が、3日後から始まると云う一方的な報せだった。

暦が変わると「待ってました!」とばかりに、早朝からもの凄い轟音と振動、それに夥しい量の粉塵が舞い、明け方寝る事も多いこちらの事情などおかまいなしに、朝8時の作業開始と同時に目が覚めるという有り様で、かたやモデル・ハウスの建築、その隣ではビルの解体という、相反する真逆の状況を連日眺めながら形而上学についてあれこれ考え…たりする筈もなく、連日の睡眠不足に内蔵や脳を揺るがす程の振動や騒音、窓の向かいに作られた仮設トイレの臭い、ボヤかと思う程の喫煙エリア、工事車両の頻繁な出入り、作業関係者の会話や行動…まるで「過剰ストレスをた〜っぷり召し上がれ!」と言いたげな容赦のない非日常的な出来事が、自宅に居ながらにして日常的に続いている。

モデル・ハウスの方はめでたく予定通り完成し、早速目の前の駐車場には「夢」と「希望」に満ち溢れた幸せそうなファミリー達がたくさん内見にやって来る。「完成したので是非ご覧に…」などという丁重な挨拶などは一度もない。平日は来客が少ないからか、某印良品の社員らしき男性が暇を持て余し、日中はマイカーを丁寧に洗車していたりと少しはマシな状況になりつつあるのだが(仕事せんかーいっ!)、隣のビルの解体作業はようやく半ばを過ぎたところだ。

朝の連続テレビ小説『てっぱん』という、ささやかな楽しみに出会えた事には感謝しているが(毎朝欠かさず観てます!)、この窓の開けられない息苦しい生活は12月の中旬まで続く。

さてと…

そういえば、10月に行われた「ドラム・マガジン・フェスティバル 2010」、両日とも遊びに行って来ました。なかなか楽しいイベントでしたよ。

出店ブースでの色んなメーカーの懐かしい顔ぶれや新しい出会い、そしておなじみのプロ・ドラマー達との再会は勿論だけど、自分が開講しているドラム・レッスン、「クラブ・コモリズム」の卒業生から、4人目のプロ・デビューの報告を受けるなど、感慨深い時間をもたらして貰いました。

出演者の演奏も2日目の前半以外は全てチェック!色々と学ぶ事も多く、早速自分の中で新たなテーマを掲げてその課題のシミュレーションを行っています。

中でも、一番前の真横からかぶり付きで観た Steve Jordan の演奏では、音源や映像等ではなかなか解明出来ない、マイクを媒体としない空気振動を至近距離で体感した事で、あの極上グルーヴを形成する為の微妙なニュアンスの紐解きが出来たのは、かなりの収穫でした。

今、これまでのドラミング・スタイルの変革を余儀なくされている自分には、まさに目から鱗。新しいコモリズムへの大きな基盤となる事間違い無しです。

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さて話は変わって、11月に参加した3本のLIVEについて触れてみます。

先ずは、諸事情で急遽参加出来なくなってしまった、須藤満氏の「Favor Of My Friends~TOUR 2010~」の追加公演。

13本のツアーを経て、すっかり出来上がった流れに水をさしてはマズイと思いながら挑んだ訳ですが、「おかえり」の言葉をかけてくれた亜土さん、いつもより楽しげにギターを弾いている風な米ちゃん、そしてツアーキャンセルの相談時から本当に色々な気遣いをしてくれていたストちん…この4人で「Favor of my friends」を演奏する事の喜びと絆を感じながら、途中「白銀」のあの曲?!では何故か込み上げるものもありつつ、最後まで深く楽しく演奏させて頂きました。

このメンバーで音を出すと、不思議といつもハッピーな気分になれるんだよなぁ…。素晴らしいメンバー3人と、暖かい言葉をかけて下さったお客さんに心から感謝しています!

「Favor Of My Friends」の翌日は、昨年に引き続き参加させて頂いた、鳴瀬喜博さんのバースデイ LIVE「続・宴歴ロック日和」。

今回はいわゆる普通のセッションとは違い、オファーを頂いた時からいきなりテンションがMaxに到達する程あり得ないメンバーの組み合わせで、チケットも発売5分で SOLD OUT という状況…間違いなくここ数年で一番興奮して挑んだライヴでした。

5年前に自分が企画した「20+1周年記念ライヴ」以来久々の共演で、NOIZ時代から俺が最もリスペクトするミュージシャンである人見元基さん、あの独特なトーンとロック・ギタリストとしての在り方で魅せまくる山本恭司さん、そして、2001年の難波弘之さん率いる「Sense Of Wonder」 の20周年記念イベント以来の共演で、フルでご一緒するのは初めてだった厚見玲衣さんという『VOW WOW』のメンバーと(3人揃うともの凄いオーラだった!)、この日の為に新調した4弦ベースで武装し、ティム・ボガートを凌ぐアプローチと音量で圧巻の存在感をもたらした、御年61歳なんて事を全く感じさせない鳴瀬師匠達との、超強力でガチなロックLIVE…最高にエクセレントな時間でした!

今回はあらかじめリハのスケジュールに呑みが組み込まれており(これが大事です!)、そこでは諸先輩方による日本・海外のロック界の歴史や驚愕の裏話(笑)が飛び交ったり、厚見さんと鳴瀬さんと行った二軒目では、杯が進むに連れティム・ボガートやB,B&A、そしてロックについて、まるで少年の様にイキイキとした表情で熱く語る鳴瀬さんを拝見出来たりと、リハも呑みも最高に楽しく、必然的に士気も高まっていった(途中、偶然立ち寄ったカシオペアの野呂一生さんも合流し、会話も酒も更にヒートアップ!!危うく「朝焼け」を拝んでしまうところでした…笑)。

本番は言葉にならない程の感動と凄まじい轟音とで何だかよくわからない感じだったけど(笑)、それでも埋もれる事なく突き抜ける元基さんの歌声、美しさと激しさの共存する恭司さんのギター、ロック・キーボディストの真髄を醸し出す厚見さんのプレー、ロックに対するリスペクトを全面に押し出しながらウネリまくるロック・ベーシスト「ティムチョ」さんの圧巻の音圧、そして、幾度の機材トラブルにもめげず、無駄を削ぎ落とし一打入魂で挑んだ俺。この4人ならではの「ROCK」…かなり楽しんで頂けたのではないでしょうか?

そして、先のロックとは180度音量もジャンルも違う、1月に続き2度目の参加となる「クラスタシア」のライヴ。こちらもめちゃめちゃいいライヴで、個人的には今年一番完成度の高いライヴになりました!

ロック・モード全開が冷めやらぬまま向かった「クラスタシア」のリハーサル。気持ちは切り替えてるつもりなんだけど、ロックにも程があるセッションから一変して、バイオリン、チェロ、ウッドベース、生ピアノ、アコースティック・ギターによる、クラシック音楽色の強いダイナミクスとテンポの揺れに、なかなか体がついて行かなくて、ロックの呪縛の凄さにちょっとビックリしたけど(笑)、本番では細心の注意を払って繊細なダイナミクスとクラシック特有の時空に対応し、数日前にあの渾身のドラムを叩いていた自分との違いに本人も驚く程、大人な感じの演奏が出来ました。

この日も本番終了後全員で打ち上げに参加(やっぱりこれが最重要事項です!)、しかも二次会にも全員参加…エクセレントです!

室屋君の真っ直ぐでブレのない音楽性と素晴らしいヴァイオリンをはじめ、阿部ちゃんの一歩引いたスタンスから雄弁に語るピアノ、向井君のデラックスな体格から弾き出されるチェロの素晴らし過ぎる音色とテクニックで、独特な世界感を奏でるクラスタシア。そして、サポート陣は、普段プロ・ドラマーとしても活躍するテクニカル・ギタリスト鈴木直人君(打ち上げ時、終電で一旦帰りかけるも即座に舞い戻って来た…エライ!)、クライズラー&カンパニー以来の盟友で、楽曲を捉えるスピードの早さと素晴らしいグルーヴを提示してくれる竹下欣伸君と、この日はJAZZドラマーよろしく、18インチのBDの3点セットを駆使し、室屋君の弾く旋律と寄り添いながらリリカルなプレーに挑んだ俺。因みに先のロックの時のセットは、勿論男の「26インチのフロント・ホール無し」BDでした。あっ!リハで上手くバランスが取れなかった理由はコレだ(笑)。

この日のライヴは6人のバランスが見事に噛み合い、稀に見る極上アンサンブルを醸し出す事が出来、本当に素晴らしいライヴとなりました。そりゃあ、酒も美味くて二日酔いにもなるよ…(笑)。

今回の3本はそれぞれに思い入れが強く、しかも見事なまでに全く趣の違う貴重なライヴで、尚かつ全てがそれぞれ納得のいくモノになるなんてそうそう続くものではないので、とても貴重な体験でした。会場に足を運んで下さったみなさん、本当にありがとうございました!

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さてさて、以前ここで某缶コーヒーのCMがツボった話題について触れましたが、なんと自分、あのシリーズの続編にブラシで参加してます。

偶然とは云え、まさかの展開にオファーが来た時にはビックリしましたが、懐かしいペンギンの映像も曲も、まさに甘い記憶でした♪

映像との兼ね合いで、残念ながら肝心の演奏の方は微かにしか聴こえませんが、あれだけ気に入っていたCMの続編だったので、参加出来てホントに嬉しかったです。またしてもサインは貰えませんでしたが…(笑)。

そういえば、20数年前に初めてあのディーヴァ役の方と共演したのも、某メーカーのCMだったな。しかもあの時は難波弘之さんのアレンジで、キーボードが難波さん、ベースが小室和幸さん、ドラムが俺のトリオ…そう、’87型の「Sense Of Wonder」で演奏したんだ。いやぁ…懐かしい!

早いもので、今年度の流行語大賞も発表になり、いよいよ師走です。

今年は色々と大変な事のある一年でしたが、23日の「野獣王国」のライヴ後、しばらく自分探しの旅と題した人間部活動に専念する予定なので(笑)、とりあえずそこまではスパートかけていきますよぉ〜!!!

2010.12.1

追記:写真のドラムセットはComo’s KIt 2010 ver で、本文中に記載したものではありません。

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