Essay

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第35回 『ミュージシャンちっくなテーマ(多分其の壱)』の章

2004.11.11 (木)

先日オープンしたBBSの方も、お蔭様で膨大なアクセス数に比べ、かなり低い書き込み率を誇っており(笑)…さっ、寂しいじゃね~かよ!!!まぁ気軽に遊びに来てやって下さいませ!
 

さて、非常に嬉しい事に最近また密かに「小森フォロワー」なる「ドラムすこ&ドラムすめ」達が増えているみたいで(手数王こと菅沼孝三氏に手数大臣とか名付けられてた時期以来かな…)、ほんとドラマー冥利につきるってもんです!
 

ライブが終わった後などに、セッティングや奏法、そしてフレーズに関する質問をしに来るドラマーくん達がいるのだが(ちなみにフレーズに関してですが、演奏中はその場の即興、言わばデマカセ(笑)でやってる事が多い為、正直ライブ後に質問されても記憶にないモノが多く、適当な事云ってるかもしれません…あしからず!)、こういう時によく質問されて困るのが、「小森さんのよく聴いた、もしくはお勧めのアルバムを教えて下さい!」って云う事。実はこれに対する質問の応えと云うのが、正直非常にやっかいなのだ…。

これまでに様々なジャンルの膨大な数のCDを聴いて影響を受けて来たと云う事もあって(ここ18年位、日本のインストものはほぼ聴いていない。基本的にはJーPOPしか聴かないので…)、最近ではその日にライブでやったジャンルや気分などで思い出される記憶と云うのがまちまちだったりするので(多分加齢による記憶の…ってほっといてくれる?!)、あれこれ思い出すのにひと苦労するからだ。だからと云って、「最初にディープ・パープルの”Live in japan”を聴いてドラムに目覚めちまってよぉ~」なんてところから話をして行くと時間がいくらあっても足りないしね。

勿論応える事自体は全然嫌じゃないんだけど、「あっ、ついでにアレも教えてあげればよかった!」とか「んっ?!だぁ~っ!アルバムのタイトル間違えた!!」とか、後で悔やまれる事も多々あるので、こう云う形で紹介すると云うのは本意ではないのだが、これを機に多少はミュージシャンぽく、この辺りの事をちょっとまとめたりするのもいいかな…なんて思ってみたりしたのですよ。
 

ただやはり細かいモノまで含めると膨大な数にのぼる為、下手するとコラムの域を越えて一冊の本とかに成りかねないので(そこまでする気力も無いしね…)、あくまでも簡潔に綴ってみたいと思います。

で、今回はドラマーらしく、あくまでも俺が思うところでの「ドラムの名演」と云う点にスポットを当てて、『Comorhythmの素?!』(安っ!)と云うテーマでいってみたいと思いますので、しばしお付き合い下さいませ。※順番に意図はありません!

☆【i.o.u.】/ Allan Holdsworth
 
このアルバムは以前ドラム・マガジンの「私的名盤」と云う企画でも真っ先にあげたのだが、19歳の時に聴いてめちゃめちゃ衝撃を受けて以来、未だに飽きずに聴き続けている、小森的超名盤。このアルバムでのGary Husbandは、タイム、スピード、ダイナミクス、フレージング、チューニング、タッチ、アーティキュレーション、全てにおいて完璧。「っつーか精度の上がったTony Williamsじゃん!」って感じなんだけど、こんなに魂と鬼気が共存したドラミングはなかなか聴けない。いわゆるドラミングを理論で解釈してる卓上理論系のタイプには絶対出来ないドラミング。これぞ「本能のドラミング」…まさしく俺の理想だな!(って全然簡潔じゃないじゃん!)。
 

☆【Heavy Metal Be-Bop】/The Brecker Brothers

みなさん周知の通り、Terry Bozzioフリークな俺。これは17歳の時に初めて聴いて、その無駄な手数・足数に相当ブッたまげつつ、「っつーか、2バスのTonny Williamsじゃん!」って思ったなぁ。U.K.の「Danger Money」、「Night After Night」や、Frank Zappaの「Live in NEWYORK」も外せないのだが、キリがないのでこれにしてみました。M-4の「Sponge」…狂気です。

☆【Spring Session M】/MISSING PERSONS
 
おいおい、またTerryじゃんか…(汗)。これは19歳の時にホント聴きまくったなぁ。フュージョン全盛時代に厭き厭きしていたところに、いきなりザッパ・ファミリーがコレだもん。やられたよ、本当に!パンキッシュなテリーも超カッコいいし…!この頃のライブ・ビデオ(勿論海賊盤)観ると、カッコ良すぎてシビレまくるよ。ちなみにシモンズ(20年程前に一世風靡したエレクトリック・ドラム)を導入した「Rhyme & Reason」も、やはり普通のアプローチではないテリーならではの斬新なポップさがたまらない!実はこのバンド、最近もまたちょこちょこ活動してるんだよね。先日ライブテイクと新曲のバージョンを入手したけど、デイルのVo.にはウンザリだった…(哀)。
 

☆【Shut‘Up’n Play Yer Guitar】/Frank Zappa

先ほどテリーのところで名前の挙がったザッパ。ザッパのアルバムもほとんど全編網羅してるけど、高校生の頃ドラムにはまぁそこそこ自信があった俺の鼻っ柱を、一発でへし折ってくれた有り難~い?アルバム。ドラムはVinnie Colaiuta(テリーも入ってるけど)。プロを目指していた俺だが、このアルバムを聴いた時に、「っつーか、超進化した完全無欠のTony Williamsじゃん!世の中こんなすげ~奴がいるんじゃ、俺には到底プロなんて無理だ!」と真剣に諦めかけた程、圧倒的なテクニックに、世界の広さ&ザッパ・ファミリーの恐ろしさを知った。
 

☆【Nefertiti】/Miles Davis

いきなりジャズの帝王マイルスにいっちゃいましたが、このアルバムで芸術的にドラミングを展開しているのが、先ほどから名前がチラホラ出てるTony Williams。これまで挙げて来たドラマー全てに共通しているのが、「Tony Williams」の影響を多大に受けていると云う事。そう、ゲイリーもテリーもヴィニーも、みんなトニーの存在がなければあんなドラムは叩いていない!って位、ジャズ&ロックの幅広い方面に渡って、かなりアグレッシブな姿勢で理論とか定石なんかクソ食らえ!と云う勢いでブチ壊しまくって、我が道を突き進んできたドラマーである。マイルスの他の作品は勿論、彼のリーダーユニット「Life Time」や、ハービーハンコックとやっていた「V.S.O.P」での攻撃的なドラミングも凄く魅力的なのだが、今回あえてこのアルバムを選んだのは、繊細で美しく、まるで水彩画を描いているかの様なプレーをしつつ、なおかつ隙あらば「形あるモノは壊す!」と云う、本当に芸術的な素晴らしいプレーに感動したからだ。ちなみに彼が最後に来日した時のブルーノート公演は、なんと6ステージも観に行っちゃいました!トニーよ、安らかに・・・。
 

☆【The Leprechaun】/Chick Corea

ご存じ南こうせつさん似の(笑)素晴らしいピアニスト。当然彼のアルバムにも逸品が多くホントに悩んだのだが、実はこのアルバムは、前述の「Heavy Metal~」と同時期にヘビーローテーションしていて、遠足や修学旅行にまで持って行っては観光もせず、ひたすらバスの一番後ろの席で何度も何度もこの2枚を聴いていて、他校との接触時には率先して飛び出していったと云うエピソードがあるので(笑)、あえてこれをピックアップしてみた。ドラマーはご存じSteave
Gadd。最近はエリック・クラプトンのツアーでブルース・ロックを大きなウネリで叩いているが、フュージョン全盛期に彼が参加したセッションでは、それこそ「ウルトラ・ジャスト」なドラミングで、その存在をアピールしていた。ちなみにこのアルバム、ほんとにスケールの大きなアルバムで、かなり感動すること間違いなし!これはドラムキッズ以外にもかなりお勧め!
 

☆【PRESENCE】/LED ZEPPELIN

ご存じドラマーはJohn BohnhamことBONZOです。問答無用のロック・ドラマー。酒、女、暴力…オフ・ステージではかなり逸話を持つ猛獣の様なドラマーだが、彼のドラミングはまさにそう云う意味でもロックだった。ただ実は物凄く繊細な所もあり、音楽の事ではよく悩んでいた様である。俺の知り合いのプロデューサーには、ZEP来日時にたまたまコンサートを終えたジミーペイジとボンゾが来た京都の飲み屋でセッションをしたと云う逸話があるのだが、夢の様なセッションは、ボンゾが最初の一打でドラムのヘッドを破ってしまった為、あっ!と云う間に幕を閉じたらしい…(笑)。他のスタジオ盤も欠かせないし、「BBC session」も外せないけど、俺が一番よく聴くのは、やっぱこのアルバムだな。ちなみにテリーボジオはザッパの教えからボンゾ・フリークになった。それにしても「寝ゲロ」で人世に幕を閉じたってゆーのは、本人以上にファンも悔しいだろう!
 

☆【Live in japan】/Deep Purple

プロフィールでも語ってるが、これを聴いてドラムに目覚めたので、やはり外せません。っつーか、Ian Paiceはやっぱ凄いよ!あのアルバムでのドラムソロは未だに俺のテーマのひとつだな。モーラーを含んだ素晴らしいスティッキング。ちなみにあのアルバムのレコーディングに立ち会ってた音響スタッフに聴いた話だが、ミキサー卓のフェーダーは殆どフラットだったんだってサ。あんなPAもちゃんとしてない時代に、ステージ上のバランスがあれなんだぜ?凄いにも程があるよな!

 
☆【upfront】/David Sanborn
 
Mr.Groove Steave Jordan・・・。多分ここ15年位で、俺が一番入り込んで聴いてるのが彼じゃないかな?その昔のフュージョン・ブームでは、スティーブ・ガッドと共に引っ張りだこだったのだが、いつの間にか暫く姿を潜め、レストランで皿洗いなどをしながら自分の音楽を見つめ直し、テクニックと云うある種の無駄を一切省いた、究極のグルーブ・ドラミングで第一線に復活し、今じゃその存在が神にすらなっていると云う素晴らしいドラマーである。本当はあのキース・リチャーズの「Talkis Cheap」、「Main Offender」他、数々のアルバムで素晴らしいプレーをしているのだが、世界中を驚嘆させたグルーブが凝縮されたこのアルバムはやっぱ外せない。

☆【Fantastic World Live】/TOHYA

TOHYAはイギリスのパンキッシュなファッション(この当時)のおねーちゃんボーカリストで、このアルバムのドラムはSimon Phillips。最近はすっかりTOTOのドラマーとして落ち着いているが、ジェフ・ベックをはじめ、大きなセッションの修羅場を数多く潜って来た、筋金入りのドラマーだ。世界に名を轟かせたジェフ・ベックの「There and back」や、マイケル・シェンカーの「神」辺りは、ちょうど俺が中3、高1のリアルタイムで聴いていたので、かなり影響を受けているのだが、やはりサイモンを語る時に外せないのがこのアルバム。ポップ・ロックのバックで、あくまでもタイトに、斬新かつテクニカルなアプローチでプレーするサイモンは素晴らしい。多くのロック系プロ・ドラマーに聴いて欲しい作品だ。余談だが、サイモンのソロ・アルバム「Symbaiosis」(綴り違ってたらゴメン!)の日本盤のライナーノーツは俺が書いてます。あと、一緒に中華料理食いに行った事もあったっけ…。
 

☆【Observations&】/Billy Cobham’s Glass Menagerie

泣く子が笑う?!Billy Cobhamです。もう叩きまくりです(笑)。彼のアルバムはマハビシュヌ・オーケストラ、ソロアルバム、その他セッション等かなり手元にありますが、やはり19歳の時に聴いたこのアルバムが一番衝撃的だったな。1曲目始まってすぐのピックアップ・フィルで完全にやられた記憶が…。そしてアルバム最後に収録されているプログレ・ジャズ?な大曲が素晴らしい(この2曲は俺のライブで演った事があります)。ビリーとはドラム・マガジンで対談した事があるのだが、かなりストイックな印象を受けた。世界を震撼させるにはあれくらいの精神力がなければ、と肌で感じた瞬間だった。ちなみにビリー直伝のフィンガー・インディペンスは今だに役にたってます。
 

☆「Over The Top」/COZY POWELL
 
イアン・ペイスでドラムに目覚めた俺が、一番最初に買ったドラムセットは、ほぼコージーのセットを参考にしたものだった。そう、実はコージーこそそのドラミング・スタイルもそうなのだが、ファッションや持ち物に関する細かい所まで影響を受けた最初のドラマーなのである(といっても後にはテリーしかいないのだが…)。彼もロックドラマーとして、あらゆるセッションやバンドに参加してきたが、やはり個人的には「RAINBOW」在籍時と、そしてこの1stソロ・アルバムへの思い入れが強い。先日とあるDVDで、コージーとジャズ系テクニカル・ドラマーのツイン・ドラムを観たのだが、コージーの鋼の意志で叩き出されるパワフルなドラミングの前には、コー・テクニックをはじめとする、見せる為の薄っぺらいテクニックなど、何の役にも立たないという事を思い知らされた。やはり本物は違うのだ。

 
以上、今回はドラマーとしての視点からのテーマで簡潔に?!お送りしてみましたが、いかがでしたか?
 

今回紹介したアルバムはまだほんの一部で、他にもまだまだあるのですが、とりあえずこの辺りで一度〆ときましょう!またいづれ気が向いたらこの続きを、例えば「楽曲偏」、「ジャパニーズ偏」という風にテーマを変えて取り上げてみるのも面白いかもね?…押忍!!
 

 
2004.11.11
 
jim for joy(笑)。

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