第33回 『頑張れ古田!』の章

9月 29th, 2004 by admin

前々回のコラムで、世間に揉まれてすっかり汚れちまったはずの俺の涙腺の滞りについて綴ったが、なんのこたぁない、「As for you ツアー」の移動日の名古屋で観た「セカチュウ」の最終回の直後に、榊原大ちゃんからかかって来た電話に出た俺は、めちゃめちゃ鼻声だったぞ(笑)。なんだよ、俺…まだまだ感受性も涙腺も大丈夫そうじゃん!!!
 
さて、その大ちゃんツアーも、大勢のお客様のおかげで見事大成功に終わりました。大阪、福岡、名古屋のブルーノート、そして東京STB139の会場に足を運んで下さった皆様、ありがとうございました。
 
大と一緒に演奏するのはニューアルバムのレコーディング以
来だったが、ちゃんとしたライブ?!は精進ツアー以来だったのでとても新鮮だった。相変わらずフランキーでファンシーなMCと、盛り上がった時の無駄なオーバーアクション(笑)は痛快?!だった。Gtの「マダム・キラー天野さん」とは随分久しぶりだったが、プレーも含めすっかり別のキャラに変貌していたのにはビックリした。落合とは先月も別のツアーで一緒だったんだけど、その悪童っぷりと茶目っけの絶妙な交ざりっぷりが妙にツボに入ってしまい、すっかりあの特異なキャラが気に入ってしまった。楠本さんは寡黙&マイペースで、ベーシストらしいキャラとグルーヴィーなプレーで、ついつい余計な事をしてしまう俺たちの舵を取り、サウンドをしっかり支えてくれていた。流石!
 
ライブの内容も毎回素晴らしく、久々に「超ダイナミクス」や「表現法」にこだわる事の出来る、ゆとりと進化の伴ったいいライブだったんじゃないかな?そしてその大きな要因ののひとつとして、なんと云っても天下の「ブルーノート」でのツアーだったと云う事はかなり大きな要素をしめる。相変わらず細心の注意の行き届いたミュージシャンへの心使いとサービス、そして食事のクオリティー。これらは間違いなく日本一。あんなに気持よく演奏させてくれるところは他に類をみない。また是非このツアーも含め、今後もお世話になりたいもんです!
 
そんなこんなで、又次のレコ発ツアーも是非今回のメンバーで参加出来たらいいなぁ、なんて思える程、勝手知ったる仲間たちのいい感じの演奏旅行でした。
 
さて話は代わって、先日「TOSHIMI SESSION」で初めて吉祥寺の「シルバーエレファント」というライブハウスに出演した(俺が初だと云う事を意外だ!と云う意見が多かったけど…)。
 
このライブハウスは一部では「プログレの登龍門」と云われている場所で(だからか?)、「KENSO」も昔は何度か出演した事があったらしいが、このシルバーエレファント…とにかく音響が素晴らしく、めちゃめちゃ演奏しやすくて超エクセレント!!
 
ハウスミキサー担当の方が、ハコの事を隅々まで完璧に理解している様子で、爆音&超難解な曲をやっているにも関わらず、とにかくモニターの注文をしなくていい状態をほぼ一発で作ってしまうのだから凄い。きっとこの日のライブの曲を(特にGtの高橋勲くんのグッタリする様なへヴィーな変拍子の変態曲と、俺の爽やかな3トリンケッツ)、他の場所でやってたら間違いなく玉砕していたに違いない。それほどここの音響は素晴らしい(ちなみに客席の音もとてもクリアーで良かったらしい・・・)。
 
ただひとつ楽屋が狭いところだけが難だが、超絶系でうるさくて無駄に(笑)ややこしい、どこで呼吸していいかわからなくなるドヘヴィーな変拍子系をやるなら絶対ここがお勧め!
 
俺もまたそのうちこういう系のものを永井さんや石黒さんや和田アキラさん達と動き出す事があるんだろうけど、夏から続いていたケンソー、4拍子の見あたらなかった劇伴のレコーディング、石黒さんのストーンヘッド、そして今回のドロドロした変態曲の多かった永井さんのセッション、そして大橋&小森セッションでの、これはわかりやすくて明るいコードと可愛いらしいメロディーの後ろで、おちゃめに暴れまくるただの頭拍抜きの7拍子&ポリリズミックな名曲・・・。ちょっと振り返ってみただけでもこれだから、よく考えてみると少し変拍子の曲をやり過ぎてる感が…。
 
たまにバラードを普通に叩いてると、なぜか2小節目には奇数拍子とか叩いていたりするもんなぁ…(苦笑)。ここまでくると既に病気である。きっとそろそろ変拍子禁止のドクターストップがかかる頃だと思うので、8月のケンソーライブの時の清水さんのMCを引用させていただき、『変拍子をお休みしませんか?』と云うスローガンを掲げたい気分な今の俺…。しばらくは身体と精神に優しい変拍子を選んで叩き・・・って結局それかよ!
 
そういえば皆さん、2004.10.30(Sat)は、是非『SPINAL TAP』(スパイナルタップ)のデビューライブに遊びに来て下さい。
 
これは兼ねてからバンドを立ちあげようと盛り上がっていた、俺、大橋イサム、野崎洋一、そしてうまくこちらに巻き込んだ(笑)楠本さんからなる新しいバンドで、決してテクニックのごり押しやメロを中心に聞かせるのではなく、あらゆるグルーヴィーなリズムとご機嫌なベースラインをリフに、今までに無い空間系、トランス系、そしてドラムン・ベースや2ステップ、またはファンクやR&B、60年代のニューオーリンズから派生したリズムや異国の雰囲気を、ジャズやロックや邦楽を媒体に新しく創りあげるという実験的要素の多い新しいバンドです。
 
このバンド形態は、小森が3~4年前からやりたかった事のひとつのサウンドで、特に今回のメンバーではかなり理想を越える素晴らしい作品がどんどん産まれて来る様な気がしてます。
曲創りはこれからだけど…(笑)。目指すはフュージョンシーンではなく、あくまでも最先端クラブシーンへの展開。かなり斬新でヒップなサウンドをお聴かせ出来るライブになると思うので、皆さん、お友達をお誘いのうえ是非お越し下さい。お待ちしております。
 
と云う事で、すっかり秋です。ことしはスポーツの秋(っつーかジムワークだけど)を満喫する予定・・・。それから日本プロ野球界の未来の為に頑張って戦う選手会のみなさん(特に古田敦也選手!)、本当に応援しているので頑張って下さい!!!

2004.9.29 あっ!明日のリハは又しても変拍子だ…(>.<)。

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第32回 『凪~Calm~について』の章

9月 1st, 2004 by admin

第25回のコラム、「凪~Calm~(意味はそのうち)」の続編を綴るタイミングがやってきました。
 
さてこの「凪」、既にご存じの方もいると思いますが、8/25に発売された榊原大ちゃんの3rdアルバム『As for You』の中に収録されている、小森曲のタイトルが「凪」なのです。ちなみに「凧」ではないので、くれぐれもお間違えの
ない様に…(笑)。
 

凪と云う言葉を初めて意識したのが19歳の時。青春時代を送った地に蔵王(山形のではないよ!)と云う山があるのだが、友達と夜中に満天の星を観にいった時の事、それまでそよいでいた風が止んだ瞬間に、「あっ、凪になった…」とつぶやいた友人の言葉が非常に印象的で、それ以来自分の中の「お気に入り単語帳」に追加していた。
 
この単語帳…実は当時の俺は、ハードロック・バンドのドラマー&ポエマーでもあったので、結構重宝していたのだ。ただハードロックの詞に「凪」と云う言葉はいまいちピンと来なかったので、使用は見合わせた…と云う経緯があった事を一応つけ加えておこう。
 

その後プロになってからは当然タイコと酒三昧で、いつの間にか作詞をする事もすっかり少なくなり(20代中盤で一曲だけ書いたけど)、ポエマー小森は成りを潜め、せいぜい曲のタイトルを考える時くらいしか「お気に入り単語帳」を開く事もなくなっていたのだが、実は今回榊原様より作曲の依頼を受けた時に最初に浮かんだのが、この「凪」と云う単語だったのだ。
 
大様(なんとなく「As for You」のフォトを見てたらこう呼びたくなった)からの依頼の内容は、「前作の流れを汲んだポップな感じ」と云うものだった。
 

野獣王国での「綺羅」、あれはまぁ簡単な部類だとしても、あの縦横無尽なテクニカル系超絶ベーシストの永井敏己氏をして「世界一難しい曲!」といわしめ、何人ものキーボディストを怒らせたり泣かしたりした「3trinkets」、「M-2」という作品を誕生させたと云う過去の実績からも、ポップさにはかなり定評のある俺…(おいおいっ!)。一枚目から、そして前作からは深く榊原作品に関わらせて貰っている俺には、すぐに彼の痒い所がピンゴ!で来たのだった。
 
コンポーザーの立場からすると、「凪」と云う曲はあまりにも単純なメロディーとコードから出来上がっているので、正直多少小っぱずかしい面もあるのだが(笑)、逆にここで小賢しいアイディアやアレンジをほどこしたりしたら、多分あの素朴さや切ないニュアンスは出なかったと思うんだ。
 
おそらく、普段散々ややこしさやひねくれ度合いに挑戦してはその都度うんざりしている自分が居て、でもそんな自分の中には、青春時代に体感した「凪」の響きや存在?を急に壊しちゃいけない!、と云う衝動に駆られたのかもしれない。
 
 事実最初のアレンジを詰める前の時点では、ギターの大橋君にレスポールのスイッチングでノイジーでクレイジーなアプローチやりつつ、骨太な音でガツーんとロックな感じにしてやってくれ!とかムチャクチャな事云ってたもんな・・・(笑)。

実際いろんなアプローチを試したりもしたし、あの素朴なメロディーにちょっとばかりヤキ入れてやって、社会の厳しさを教えてから世に出してやっか…みたいな感じのアレンジ?!も短時間でいっぱい試したが、結局あーゆータイプの曲はちょっとやそっとの事には動じないし、簡単にイメージを払拭し消し去る事なんて出来ないって事に気づいてしまった。
 
なぜならあの曲は、自分が音楽をやっていく上で一番大切にして来た「とある部分」から自然に引き出されたもので、多分ここを放棄してしまったら、俺は音楽をやらなくなってしまうから…。
 

だから俺はこの聖域を護らないと、楽器の演奏から音符の代わりにチャリーンと金の音しか出ない様なくだらない音楽とか、「癒し系」とされる右から左へ流れて行くだけの、ただのBGMになってしまう危険性があるからだ。あっ、いや、でもそれは無いな。だからこそ「凪」は軟弱な曲ではあるけど、簡単には壊せないどこか優しい強さが宿っているんだと思っている。以上が「凪」の自己分析…(笑)。
 

『As for You』もホントにいいアルバムに仕上がったね。これもひとえに俺のおかげ(笑)…うそうそ、大ちゃんの素晴らしい感性と音楽への深い愛の結晶だよ。
 

それにしても人生で初めて誰かの為に書いた曲が、まさか大様になるとは…。せめて「セカチュー」の廣瀬亜紀ちゃんに捧げたかったなぁ…。とりあえずそんな訳で、大様…「凪」は返却して下さいませ(笑)。
 
と云う事でもうすぐ『As for You 発売記念ブルーノート・ツアー』がはじまります。どんな曲をやるかみんなも楽しみでしょう!でもみんなの期待している「アレ」だけはやらないかもしんない…。やっぱ「アレ」だけはちょっとなぁ…(笑)。
 

ちなみに「凧」、もとい「凪」は多分レコーディングとは違うグルーブでやるつもり!乞うご期待!でわ…合掌!!!
 

追記:先日行われた約5年振りの『Stone Head』のライブは相当高いクオリティーのライブとなりました。石黒さん、和田さん、治郎ちゃんみんな本当にエクセレント!!ちなみに石黒さんの新曲はジャズでした!今後は変拍子の曲は書かないそうです。つってもきっとポリリズムの応酬になるんだろうから、あんまり変わらないけど(笑)。このライブは絶対来年も参加させてもらいたい!!!みんなも女子供だましじゃない本気の人達の音楽を聴きにおいでよ!!!

 
2004.9.1
 
残暑にこだわる夏って云うのを体感してみよっかな…。

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