今回のテーマ、気付いたら3回に渡る長編になってる。当初2回で完結させるつもりだったんだけど、何故に…?一応これでも掲載時には無駄な箇所をカットしたりするんだけど、困った事にどんどん文章が溢れてくるから収拾つかないんだよ。まっ、お付き合い下さいませ。
さて、ここんとこのヘビーローテーションは先日発売された話題のビートルズの新譜『Let It Be…NAKED』。これがマジで素晴らし過ぎる。まだ聴いてない人には絶対お勧め!
今までみんなの耳に馴染んでいた名曲「Let It Be」は、オーケストラの入ったテイクなんだけど、このアルバムにはビートルズの4人だけで演奏されたものが収録されていて、他にも素晴らしいテイクやリハーサル模様などなど、音楽ファンにはたまらない音源が収録されている。
ちなみに俺はビートルズのCDを買ったのがなんと生まれて始めてなんだけど(正直今まではあまり興味がなかった)、今回このCDを聴いて、曲のクオリティ、演奏、アレンジ、サウンドのあまりの素晴らしさに、今更ながらかなりの衝撃を受けてしまった。(特筆すべきは「音」。デジタルに汚染され、慣らされている多くのみんな、人間の演奏した魂のある本物の音ってものが、このアルバムには収録されているぞ!)。
そう云えばかれこれ15年程前の話になるのだが、杉真理さん、松尾清憲さん、そして当時のセンス・オブ・ワンダーのベースの小室和幸さん達がやっていた『BOX』と云う、ビートルズ・ライクな本当に素晴らしいポップス・バンドがあった。で、ある時BOXのサポート・ドラマーをやっていた大先輩、島村英二さんの代役(いわゆる「トラ」ってやつ)で、このバンドのツアーをサポートする事になったのだ。
軽い気持ちで引き受けた俺だったが、実はこのバンドがドラマーに求めるのはあくまでもリンゴ・スターの様なスタイル、と云うかまさにそのもの…。
ビートルズの影響のかけらもない俺の事をよほど心配してくれたのだろう、ベースの小室さんが参考資料としてわざわざ「リンゴ・スターのフィル・イン」を編集したカセットや、ビートルズの曲の入ったテープを下さったりしたので、それなりに参考資料として研究した事はある(研究って・・・)。
そう云った状況の中、当時まだまだ小僧だった俺は、「テクニカル」と云うくだらないカテゴリーに固執していたし、何より「誰々風に…!」と限定(指定)されたドラムを叩く事よりも、その曲を演奏して自分が感じた事を自由に表現したいと小僧なりに強く思っていた。(まぁ、間違ってはいないんだけど、コンセプトにビートルズありきだった訳だからな…)。
そんな微妙な葛藤を抱いたまま迎えたツアー最終日、それまで封印して来たはずの「自由なアプローチ」ってやつが、何かの瞬間に突如として爆烈してしまい、盛り上がりまくって制御不能となった感情は、ついにはこのバンドでは有り得ないフィルインを炸裂させてしまったのだ。
そう、それはあきらかにリンゴ・スターのそれなんかではなく、よりによってテリー・ボジオ(俺のフェイバリット・ドラマーの一人)の様な音符の嵐…
「やべ~っ、やっちまった!」。
その後このバンドからは二度と声が掛かる事もなく(そりゃそうだよ!)、俺の中でのビートルズな時間はそのまま封印されていったのだが、そんな出来事を経て、今回ビートルズのアルバムを購入するに至った訳だ。きっと今の俺なら『BOX』に相応しいドラミングが出来ると思うな(笑)。
ちなみに12月にはビートルズがエド・サリバンショーと云う番組に出演した時のノーカット版DVDが出るのだが(既に予約済である)、先ほど名前の出たテリー・ボジオは、子供の頃にこの番組でビートルズを見たのをキッカケにドラムを始めたらしい。(へぇ~、へぇ~、へぇ~…3へぇ!)そして、ビートルズの様なバンドで、テリー・ボジオの様なフィルを叩いて首になった俺がいるのであった。(へぇ~…1へぇ)。
あっ、またしても本題に入っていない…。
では前回からの続き、「ツアー2003 北海道シリーズ」へと参りましょう。
11/9(日):札幌 Family Tree
この日東京との温度差が14°以上…。空港降りるや否やいきなり北国の洗礼、「さみ~ってば…ズルっ」…。そして、ここ数カ月のハードスケジュールの為か、免疫力の低下しまくった状態で札幌に乗り込んだ俺は撃沈間近…。
この日は2部ステージだったのだが、1部が終わって楽屋に戻った俺は、すかさず横になり回復をはかる。
その甲斐と、あと北海道はTAMA DRUMからのレンタル器材だったので、身体に優しいいつもの叩きやすい2バス・セットだったと云う事もあり2部は炸裂しまくり。ドラム・ソロはおそらくこの18本のツアー中最高の出来!…かな?
そんな大盛り上がりのステージを終え、珍しくほぼ完全燃焼した俺だったが、やはり本番が終わると洒落にならない物凄い疲労感が…。ツアーが決まった時点で楽しみにしていた『だるま』本店のジンギスカン(誰がなんと言おうとここのジンギスカンは臭みのなさ=鮮度を含めNo.1。あらかじめタレにつけて食うのなんざ俺からすればレトルトと変わんねぇ!)を食いに行く元気すらなく、なんとこの日の夕食は札幌にいるにもかかわらずホテルの自動販売機コーナーで売っていたマルちゃんのカップ・ラーメン。(せめて場所がらを考慮して「さっぽろ一番」とかであればまだ情緒もあったかと…)。過去まれに見る地味な札幌の夜だった。
11/10(月):新十津川町 ゆめりあホール
大のお気に入り、『純連』に寄ってラーメンを食べてから、新十津川町へと車を走らせる。のどかでひたすら真っすぐな道の続く様はまさに壮大。途中コンビ二に寄ったら、普通にジンギスカンや塩ホルモンのレトルトが売っていたのにちょっとビックリ…さすが北海道。
会場に着いてから3人はラジオ番組へ出演。トークをする気力の無い俺は楽屋で静養。そういえばこの日はフェイバーでは初のホール・コンサート。どうだったかはあんまり憶えてないが…。
宿泊したホテルは、ロビーの入り口にいきなり車椅子が置いてあり、まるで古い市民病院なんじゃないかと思わせるちょっと怪しげな雰囲気…。皇族関係者も宿泊した事があるらしいのだが、さぞかし恐かった事だろう。(ちなみにホテルの朝食はかなり美味だった…とこのツアーで1日4食も食べていた割には全然太らない米川氏のコメントである)。
打ち上げは某居酒屋チェーン店。前日の札幌での悔いがあったので、北海道の味を満喫するつもりでいたのだが…。しかもスポンサー打ち上げの為、既にコース料理が頼まれていて、又しても北海道の味覚とは無縁に…。明日こそっ!!
11/11(火):増毛 増毛町文化センター
車での移動中、標識に「美深」の文字を発見。KENSOの曲にまさにこの地名のついた壮大な曲があるのだが、「実際にこの辺りにある町なのかぁ…」なんて思っていたら、なぜか嬉しくなってしまった。
増毛についてホテルにチエックインしてびっくり。和室に布団の、完全温泉旅館モード。そう、もれなく温泉がついているではないか!一気に盛り上がった俺は、短い時間を有効に使うべく早速ひとっぷろ…。すっかりポカポカになって気持良く会場へ。
この日は増毛の役場が主催のいわゆるファミリー・コンサート的な感じで、子供からお年寄りまで大勢の方が足を運んでくれて、何とこのツアーでの最多動員を誇った。有り難うございます!
ツアー千秋楽なんだけど、ファミリー層が大半?を占めるので、ライブ・ハウスとは違う、燐とした気持ちで挑んだライブとなった。会場の響き具合が、ある意味長崎の会場の時の様で危惧されたりもしたが、PAチームの素晴らしい仕事も手伝い、このツアーの集大成に相応しい出来となった。
会場から引き上げた俺は、ホテルでこの日2度目の温泉に入ってから打ち上げへと向かう。場所はスタッフの方々の行きつけの「すなっく」…(笑)。結局、北海道の味覚を満喫するには至らなかったが、素朴な北国の夜の情緒を感じるには充分だった。
打ち上げで久々にハイペースで日本酒をあおり、ベロベロに酔っ払ったのだが(多分打ち上げ前の温泉がやばかったんだなぁ)、まだまだ飲みが足りなかったらしく、「今からメカ沢βの部屋で飲むぞぉ~、みんなぁ集合ぉ~」と言って、とりあえず自分の部屋に戻った。
ふと気付いて時計を見るとナント朝の10:30…。一瞬訳が解らなかったのだが、どうやら部屋に戻った後メールチエックをしている最中にすっかりブっ潰れてしまったらしい。部屋飲みにも参加出来ず…最低なオチである。
この後日本海沿いの道を走り千歳空港へと向かう。途中立ち寄った激シブな定食屋さん、食事はイマイチだったが、店内には生まれて間もないコイヌが居て、すんげ~心が和んだので○。
そして時々居眠り運転しつつも、断固としてその席を譲らないストちんのスリリングな運転で、ハラハラしながらも何とか無事に空港へ。そう云えば、途中スゲ~でかくてキレイな虹が印象的だったのだが、偶然車が虹の方向に向かって走っている時に誰かが口にした、「あの虹くぐれるかな?」と云うコメントの方が今となっては印象的だ。
そんなこんなで全国18ケ所にも及ぶ須藤満「Favor Of My Friends Tour 2003」が無事に終了した。
「Favor Of My Friends」はどこかバンド的な雰囲気のあるセッションだ。そう考えると、今回高橋氏がいなかった事で、ある意味イレギュラーな編成となった訳だが、メカ沢β(芸名:新澤健一郎)の参加により、従来とはまた違った味わいになり、そう云う意味では刺激的な事も多々あった。それにしても人間ひとりの持ち得る「個」と云うものは意外にデカいんだな、としみじみ感じた。
また今回のツアーは、比較的高い演奏クォリティを長期に渡り維持できたところにその特徴と意義が見い出せる。よってより多くの人たちに見てもらいたかったのだが・・・。
またいつかこのシリーズもあると思うので、その時にはよりパワーアップした演奏をお送り出来る様頑張ります!ライブにお越し頂いた全国の方々、本当に有り難うございました!
次のツアーをお楽しみに…合掌!!!
2003.11.28. 晴れ後曇り
追記:写真は、J2モンテディオ山形のユニフォームを着たストちゃんと俺。
そして、踊り狂うホワィティ(芸名:前原”まえてぃ”篤史)…..すっ、すごい。
(Photo by Shinji Noguchi)



